住宅ローンに必須の「団体信用生命保険」とは?

不動産トピックス

「住宅ローンには生命保険が付いている」という話を聞いたことはありませんか?実はその通りで、住宅ローンを借り入れする際には「団体信用生命保険」に加入することになっています。これは住宅ローンを借り入れした人が返済途中に万が一のことがあった場合(死亡または高度障害状態になった場合)に、その時点で残っているローンの残債を完済してくれる保険なのです。

(団信だけ単独で加入することは出来ず、必ず住宅ローンとセットの生命保険です。)今回は団体信用生命保険について詳しくお話しします。

団体信用生命保険に加入できることが条件となる

ほとんどの民間金融機関では、「団体信用生命保険」(「団信」と略して呼びます)に加入できることが借り入れ条件のひとつとされています。

住宅ローンは何千万円という大きな金額を、最長35年間という長い時間をかけて返済していきます。借入れする側にとっても将来何が起こるか不安がありますが、貸す側(金融機関)にとってもそれは同じです。貸している人にもしものことが起こって、返済不能になってしまえばたちまち貸倒れを引き起こしてしまいます。

この不安を無くすための保険が「団信」というわけです。返済途中で死亡もしくは高度障害が残ったら保険会社がローンの残債を弁済してくれるので、金融機関は安心して貸し出してくれるのです。

ただし通常の生命保険に加入する時と同様、住宅ローンの団信にも「審査」があります。命保険会社が行う団信の審査に通過しないと団信に加入することが出来ず、住宅ローンも借入することが出来ません。(金融機関が行う返済能力などの審査とは別です。)

つまり、持病やケガなどがなく「健康な状態であること」がひとつの条件となってしまうのです。

健康状態を申告する「告知書」

団信に加入する際には必ず記入する「告知書」という書類があります。ほとんどの金融機関の告知書には共通して3つの質問が書かれています。

質問①最近3か月以内に医師の治療(指示・指導を含む)投薬を受けたことがありますか。

※健康診断や人間ドックは対象外

質問②過去3年以内に下記の病気で、手術を受けたことまたは2週間以上にわたり医師の治療(指示・指導を含む)投薬を受けたことがありますか。

【心臓・血圧】狭心症、心筋こうそく、心臓弁膜症、先天性心臓病、心筋症、高血圧症、不整脈、その他心臓病

【脳】脳卒中(脳出血・脳こうそく・くも膜下出血)、脳動脈硬化症、その他脳の病気

【精神・神経】精神病、うつ病、神経庄、てんかん、自律神経失調症、アルコール依存症、薬物依存症、知的障がい、認知症

【肺・気管支】ぜんそく、慢性気管支炎、肺結核、肺気腫、気管支拡張症

【胃・腸】胃かいよう、十二指腸かいよう、かいよう性大腸炎、クローン病

【肝臓・膵臓】肝炎、肝硬変、肝機能障害、すい臓炎

【目】緑内障、網膜の病気、角膜の病気

【がん・しゅよう】がん、肉腫、白血病、しゅよう、ポリープ

【その他の病気】糖尿病、リウマチ、こうげん病、貧血症、紫斑病

【女性のみに告知いただきたい病気】子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣のう腫、乳腺症

質問③手・足の欠損または機能に障害がありますか。または背骨(脊柱)・視力・聴力・言語・そしゃく機能に障害がありますか。

この3問に「はい・いいえ」で答え、さらにその病気に関して入院や手術の経歴など詳細を記入します。

さらに症状経過についても質問があり、1:完治 2:経過観察中 3:再検査・治療・入院・手術をすすめられている 4:治療中 の区分を選択します。

また、以下の病気では具体的な数値の記入が求められます。

1 高血圧症・・・最低と最高の血圧値

2 糖尿病・・・空腹時血糖値とHbA1c値

3 肝臓に関する病名・・・GOT(AST)、GPT(ALT)、γ-GTP

「病気があるイコール団信に加入できない」というわけではありません。こうして列挙してみると身近な疾患も多く、「高血圧症」などは日常的に薬でコントロールしている方も多くいらっしゃいます。保険会社的には、症状や疾患があるのに放っているケースの方を懸念します。定期的に通院し、処方された薬で数値をコントロールしていれば審査に通ることも多いようです。

告知書を記入する際には隠し事をせず正直に記入することはもちろんですが、質問に対して漏れなく答えることも重要です。

例えば投薬を受けている場合には「月〇回通院、〇〇〇錠 1日〇回」というように、お薬手帳などを参考に正確に記入します。

また告知書を提出した後に、保険会社から「医師の診断書」を求められる場合もあります。診断書を提出した上で承認されるか、お断り(謝絶)されるかに分かれます。

また、借入する金額(例:5000万円以上)によっては当初から「診断書」の提出が必須になっている場合もあります。

もしも「団信」に入れなかったら

場合によっては団信が「謝絶」の結果となる方もいらっしゃいます。でも「住宅ローンが借入れできないから、マイホームを諦めなくてはいけないの?」と考えるのは待ってください。実は「ワイド団信」という保険があります。ワイド団信とは持病がある方向けの、保障が幅広い(ワイドな)団体信用生命保険です。金利が0.3%前後上乗せになることが多いようですが、一般団信に比べると審査が緩めであるため、持病をお持ちであれば是非審査にチャレンジしてみてください。

また、フラット35では団信加入は「任意」となっており必須条件ではありません。団信不加入であれば金利が0.2%差し引かれます。もしもの際には別途生命保険などで対応する、遺族が引き続き住宅ローンを支払うなどの対応が必要ですが、マイホーム購入の夢が絶たれるわけではありません。

40代から50代になると健康上のリスクが増してくるという現実があります。また、団信には「がん保障」の特約を付けることも可能ですが、50歳を超えると申込不可能となります。マイホーム購入を悩んでいる方は、様々なリスクや年齢制限があることを念頭に置いて住宅ローンをスタートしてください。

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