変動金利の「5年ルール」「1.25倍ルール」とは?メリットとデメリットを知っておこう

不動産トピックス

昨年12月に日銀が利上げを発表したニュースをご存知ですか?この発表によって、1月の住宅ローンの金利はどう変化したのでしょうか。実は、変動金利はどの銀行も上がることはなくこれまでの低水準を維持しています。一方で10年固定の金利は、全体的に0.1%~0.2%程度上昇しました。また全期間固定のフラット35も昨年末より0.03%上昇し、現行商品での最も高い金利を更新しました。今回の利上げは長期金利に限定した内容であったため、変動金利を選択している人はホッとしたのではないでしょうか。

また、住宅ローンの変動金利には固定金利にはない特別なルールが存在します。(※元利均等返済に限ります)それが「5年ルール」「1.25倍(125%)ルール」です。この2つの特約が、今回のように急に金利が上昇したときに影響を与えます。詳しく見てみましょう。

変動金利が決まる仕組み

住宅ローンの変動金利は、基本的に年に2回(春と秋)見直されます。金利の元となるのは「短期プライムレート」で、金融機関が1年以内の融資をするときの最優遇貸出金利です。この短期プライムレートに1%上乗せしたものを採用することが多く、ここから金利優遇をして毎月の適用金利を決定しています。このプラスマイナスの幅が金融機関ごとに違うので、適用金利の違う商品となるわけです。

2023年1月の変動金利の一例は下記の通りです。

みずほ銀行   0.375%

三菱UFJ銀行  0.475%

三井住友銀行  0.475%

ソニー銀行   0.397%

auじぶん銀行  0.389%

京都銀行    0.575%

福岡銀行    0.475%

0.3%~0.5%台を採用しているところが多く見られ、相変わらず低水準となっています。

金融機関から毎月発表されている金利は、その月に実行となる融資の適用金利です。マイホームを購入してから住宅ローンの資金実行までには数ヶ月のタイムラグが生じますので、現在の数字とは異なる場合があることを知っておきましょう。

変動金利が上昇するとどうなる?

無事に融資の実行が終わると、これから返済していく金利が決定します。そして、その金融機関が定めた金利見直し時期までは金利は変化しません。また、見直しの結果「±0」となる場合もあり、現在はこの状態が続いています。

当時ながら見直し時期には金利が上昇する可能性もあれば、下がる可能性もあります。下がることに対しては心配する人はいないと思いますが、金利上昇については身構えてしまします。

例えば、次回の金利見直し時期に少しだけ金利が上がったとします。この場合、翌月の引き落とし日から返済金額が増えてしまうのでしょうか?答えは「NO」です。直ちに返済金額が上がってしまうことはありません。ここで働いているのが「5年ルール」です。

5年ルールとは

変動金利における5年ルールとは「返済金額は5年間据え置く」というもので、毎月の返済額は5年間変わることがありません。ここで「金利は年2回見直しされるのに、返済金額が変わらないのはおかしくないか?」という疑問が生まれます。ぱっと見、5年固定金利と変わらないようにも見えますが、両者は全く異なります。

毎月の返済金額は、元々借入れをした元金に金利が上乗せされています。金融機関から届く返済予定表を詳しく見てみると「元金」と「利息」の欄があり、その合計額を支払うことになっているのが分かります。元利均等返済では毎月の返済額は一定で、毎回元金と利息の内訳が変化していきます。「初めの方は利息ばかりは払っている」とよく言われますが、確かに最初は利息の割合が大きく、支払いが進むにつれて元金の支払いが進む形となっています。

ここで、変動金利の見直しによって金利が上がるとどうなるのでしょうか。返済金額そのものは変わりませんが、元金と利息の割合が変わるのです。金利が上昇することは利息が増大するわけですから、これまでよりも利息の割合が増えることになります。支払い回数を重ねても、なかなか元金が減らない結果となります。

支払い金額が変わらない5年間が経過し、6年目に突入する時点でようやく「返済額の見直し」が入ります。このこれまでの5年間で金利が上昇していれば、これからの5年間は返済額が上がってしまうかもしれません。もしも年2回の見直しで右肩上がりに金利が上昇していたりすると、今後の返済額が2倍になってしまうなんてことも起こりうるのです。

1.25倍(125%)ルールによるブレーキ

このように変動金利は、経済情勢によっては右肩上がりに上昇する可能性がゼロではありません。しかしこれまでの返済金額の2倍が課せられるような事態になってしまうと、ローン破綻してしまう人が沢山出てくる可能性があります。そこで、返済金額見直しの際には「前回の支払い額の1.25倍まで(125%以内)とする」というルールが設けてられています。これまで10万円だった返済金額は、上がったとしても12万5千円までとなります。

このように5年ルールと1.25倍ルールによって、急激な金利上昇に対応出来るような対応策がとられています。

未払い利息が発生する危険性

このルールで守られているなら安心、と考えるのは少し危険です。余りにも金利が上昇してしまうと毎月の返済金額より利息が上回ってしまい、未払い利息が生じる事態となります。未払い利息は本来の返済とは別に追加されるものなので、ローンを完済しても残る場合があります。

また、支払いの最終回に完済出来ていない可能性もあります。残った部分の返済については、一括完済とする金融機関も多いので、契約時に確認しておく必要があります。

現在も引き続き低水準を維持している変動金利ですが、ルールをしっかり理解して利用しましょう。また、ソニー銀行のように5年ルールと1.25倍ルールを設定していない金融機関もあります。変動金利を考える場合には、必ずその商品の概要も確認しましょう。

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